築10年超えのマンションは売却できる?
マンションを始め、不動産物件の売却を考えた際に、最も気になる点の1つが築年数ではないでしょうか。
新築で購入した時は評価額が非常に高かっとしても、築年数が5年、10年と経過すると、どれほど値段が下がっているのか、不安になるでしょう。
また地方と都心とでは下落率にも違いがあり、地域によっては大きな下落幅が出てしまっていることも考えられます。
ここではマンション売却に当たって、築年数10年を超える物件に買手はつくのか?という点に対して、複数の視点から解説していきます。
都心部の不動産価格の上昇
通常、マンションの評価額は築年数が増えるほど下落していきますが、都心部のマンションに限って、特に近年のマンション市場に限っては、この傾向が必ずしも当てはまらなくなっています。
というのは、2020年に行われる東京オリンピックの影響によるものです。
これは「2020年問題」として注目されましたが、これが浮上してきた理由の一つは、海外からの投機的な資金の流入です。
世界中が注目するスポーツの祭典ですから、多くの投機家がこぞって資金をつぎ込んでくるのも無理はありません。これが都心部の不動産価格の上昇トレンドを生み出して、結果的にマンションの価値の押し上げに繋がっています。
新築のマンションの価格高騰と同時に、築年数10年のものでも下落率が低く、評価の高い状態を維持しています。このような物件は今後も大きな下落は予想できないので、築10年のマンションでも買手が集まることが期待できます。
築10年以内が人気?
ある不動産会社の意識調査によると、買手が中古マンションを探すときに、築年数は最高で何年までを考えるかという質問をした際、築10年までという回答が最も多いという結果が得られました。
10という区切りの良さは買手の心理にも影響を与えているようで、10年以内という築年数のマンションは割と人気があるようです。
これが5年以内となると、まだ新築時の価格よりもそれほど価格が下がっていないので、やはり築10年マンションが狙い目となっているようです。
法定耐用年数からみた場合
マンションなど不動産物件を購入する時は、大方の人は住宅ローンを組んで購入するでしょう。
この住宅ローンですが、融資する側である金融機関が融資額を決める際に、一つの指標としているのが該当物件の構造と築年数です。
建物の法定耐用年数は、構造によって決まっていて、以下のようになっています。
ちなみに、住居用と会社で使う事務所用とでは若干年数が違ってきますが、下は住宅用のものです。
軽量鉄骨造 19年
木造 22年
鉄骨造 34年
鉄筋コンクリート造 47年
最も長いのが鉄筋コンクリートになり、47年の耐用年数が設定されていますが、ここまで築年数の経過したものには、融資はしてくれません。
というのも、金融機関は融資を始める年から返済期間を考慮に入れて融資額を決定するに至るからです。
例えば築10年のマンションで鉄筋コンクリート造であれば、残りの37年間は耐用年数期間内になります。少なくともこの37年という期間内には、住宅ローンが完済できるような返済プランを取らなければなりません。
なぜなら、金融機関は融資をする際に、担保として住宅に抵当権を設定します。これは、もし返済ができなくなってしまったときに、代わりに住宅を現金化して返済してもらうという処置です。
これが築年数いっぱいまで経過しているものには、評価しても金額がつきませんので、担保としての意味がなくなってしまいます。
問題の築10年ほどのマンションであれば、鉄骨造で24年の耐用年数があり、鉄筋コンクリート造では37年の耐用年数があります。ここまで返済期間を考えられる住宅ローンであれば、金融機関も融資をしやすいので、買手がつく可能性があると言えるでしょう。
リフォームやリノベーションの効果
築年数が経過したマンションの売却にあたり、多くの人が考えることの1つがリフォームまたはリノベーションではないでしょうか。
10年も住んで入れば使用感が目立ってきて、いろいろなところに汚れやキズが見られるようなったり、中には浴槽の水が流れにくい、トイレが詰まりやすいなどの、機能障害が出てくることもあります。
当然このような物件に買手は付きづらいですから、リフォームを考えることもあると思います。
下にマンションリフォームの相場を挙げてみます。
キッチン周り 50~100万円
浴室 50~100万円
トイレ ~50万円
洗面所 ~30万円
バルコニー・ベランダ ~50万円
全面リフォーム 100万円~
金額に幅が結構ありますが、どこまで元のものを生かすか、どこまで取り替えるかによって金額は変わってきます。
ただし、このようにせっかくリフォームしたとしても、そのぶんの金額を上乗せした売却額になるという保証はありません。
むしろ、あまり売却額には反映されないのが現実でしょう。
それでも買手をなるべく多く募るには有効であり、あまり期間が長くならないような売却プランを考えているときには有効と言えます。
レインズのデータから見た傾向
それぞれの不動産会社の物件情報を共有するために運営されている、レインズというネットワークシステムから、築10年のマンション売却について見てみましょう。
少し古いデータになりますが、2011年1~12月に成約した首都圏の中古マンションの平均築年数を見てみると、18.27年となっています。意外と古い物件が売れていることがわかると思います。
それだけでなく、この築年数は前年に比べると0.70上昇しています。つまり、より古い物件へとシフトしているのです。
さらに、レインズに新たに登録されたマンションの築年数も2011年に19.65年となっており、前年に比べて0.92年古くなっています。
これらのデータからも、築10年であっても買手がつきにくいという傾向はあまり見られず、むしろそれ以上経過した中古マンションも、頻繁に売買されていることが見て取れます。
中古マンションは、新築時から築15年ほどにかけて下落が進んでいき、築16年以降は安定した相場を示します。
つまり16年で下げ止まりに達するのがわかります。もちろん30年以上経過したものは、成約数・成約金額も急落しますが、そこまで至る前のものであれば少なからず売買されています。
築10年だからといって、それほど悲観的になる必要はなさそうです。
まとめ
以上、地域や購入者の心理、法定耐用年数、レインズのデータなどをもとに築10年の中古マンション売却について見てきました。
10年経過する前のものであれば確かに評価額が高く、特に都心部のものであれば、評価の上昇さえ期待できます。
とはいっても、10年やそれより経過したものでも、多くの成約事例が見られますので、十分買手がつくことが期待できそうです。
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